AI×投資 週間ダイジェスト
※本メールは、私、鳴海貴慶と一度でもご縁があった方にお送りしています。
こんばんは、QAI Laboratory 鳴海です。
メルマガ読者の方からAI関連の投資情報って抽出できない?とリクエストがあり作ってみました。
ぜひご感想お聞かせください!
正直、今週は「えっ、そんな金額?」と目を疑うようなニュースばかりでした。OpenAIとNvidiaの1,000億ドル契約、Alibabaの530億ドル投資計画...。もう桁が大きすぎて、かえって実感が湧かないレベルですね。
でも、こういう数字の裏には必ず「次に来る波」のヒントが隠れているものです。今週のニュースから、一緒に読み解いていきましょう。
🔥 今週の注目トピック
1. OpenAIの巨額インフラ投資ラッシュ
Nvidia: $100B投資契約
- 発信元: Nvidia、OpenAI
- Nvidiaが最大$100BをOpenAIに投資し、10GWのAIインフラを構築
- 数百万個のGPU(Vera Rubinチップ)を2026年下半期から展開予定
- OpenAIにとってNvidiaは「戦略的優先パートナー」として位置づけ
Oracle: $300B以上の計画
- 発信元: Oracle、OpenAI
- Oracleとの契約で4.5GWの追加容量、5年間で$300B超の投資
- 5つの新Stargateデータセンター(テキサス、ニューメキシコ、オハイオ等)
- 総容量は7GWに到達見込み(原子力発電所7基分に相当)
総額$400B-500Bのインフラ計画
- 発信元: OpenAI CFO、AI Breakfast
- 2030年までに総額$350B-500Bのサーバー投資を計画
- 年間サーバーコストは$85Bに達する見込み(2024年のハイパースケーラー全体のクラウド収益の半分)
- Sam Altman: 「週に1GWのAIインフラを生産する工場」を目指す
投資インパクト: AI業界最大のインフラプロジェクト。Nvidia、Oracle、エネルギー業界への波及効果大
2. 中国勢の猛追が止まらない。Alibabaの本気度
アメリカばかり見ていてはいけません。中国企業、特にAlibabaの動きも目が離せない状況になっています。
530億ドルのインフラ投資
Alibaba Cloudは今後3年間で530億ドル(約8兆円)をAIインフラに投資すると発表しました。ブラジル、フランス、オランダなど、世界各地にデータセンターを展開していく計画です。
CEOのEddie Wuさんは「グローバルなAI支出は今後5年間で4兆ドルに達する」と予測していて、その波に乗り遅れまいと必死なんですね。
Qwen3モデル群を一気に6つリリース
さらに驚いたのが、たった1週間で6つものAIモデルをリリースしたことです。普通、欧米の企業は数ヶ月おきに1つずつ慎重にリリースするものですが、Alibabaは一気に攻めてきました。
中でも注目なのが:
- Qwen3-Max:1兆個以上のパラメータ(AIモデルの賢さの指標)を持ち、あのClaude Opus 4.1やGPT-4oと肩を並べる性能
- Qwen3-Omni:テキスト、画像、音声、動画すべてを理解できるマルチモーダルAI。しかも119の言語に対応
- Qwen3-VL:オープンソース(無料で使える)視覚AIとしては世界最強クラス
西側企業が「慎重に、着実に」と進める中で、中国企業は「速く、大量に」攻めてくる。この違いは、今後の競争環境を大きく変える可能性がありそうです。
投資のヒント:米中のAI競争は技術面でも拮抗してきています。中国企業への投資規制は続きそうですが、技術トレンドは無視できないレベルになってきました。
3. Microsoft、ついにOpenAI以外の選択肢を提供
Microsoftはこれまで、自社のCopilot(AIアシスタント)にOpenAIのモデルだけを使っていました。でも今週、大きな方針転換がありました。
Anthropic Claude を Microsoft 365に統合
Claude Sonnet 4とOpus 4.1という、OpenAIのライバル企業Anthropicのモデルを、Microsoft 365 CopilotとCopilot Studioに統合したんです。
これ、何が重要かというと、企業がタスクに応じてAIモデルを選べるようになったことなんですね。たとえば:
- 高度な研究が必要なら → Claude Opus 4.1
- スピード重視の業務なら → GPT-4o
- コスト重視なら → その他のモデル
みたいな使い分けができるようになります。
Microsoftは「OpenAI一択」から脱却し始めました。これは、Anthropicの技術力が認められたということでもあり、同時にMicrosoftが「選択肢を増やすことで顧客満足度を上げたい」と考えている証拠でもあります。
投資のヒント:OpenAI一強時代は終わりつつあるかもしれません。Anthropicのような技術力のある企業も注目に値します。
4. xAI、コスト革命で業界をひっくり返す
Elon Musk率いるxAIが、また業界を驚かせました。
Grok 4 Fast:98%のコスト削減
新モデル「Grok 4 Fast」は、従来のGrok 4と同等の性能を持ちながら、なんとコストを98%削減したんです。
どういうことかというと、AIが答えを出すときに使う「思考トークン」(AIが考えるときの脳の動き、みたいなもの)を40%減らすことに成功したんですね。その結果、料金は100万トークン(本1冊分くらい)あたり0.05ドルから利用可能に。
しかも性能は:
- 数学の難問(AIME 2025)で92%正解
- 科学の超難問(GPQA Diamond)で85.7%正解
- LMArenaという世界的なAIランキングで1位獲得
OpenAIのサム・アルトマンが「Intelligence too cheap to meter(知性はメーターで測れないほど安くなる)」と言っていましたが、xAIはそれを本気で実現しようとしているようです。
政府契約も獲得
さらに、アメリカ政府機関向けに、Grokを1ユーザーあたり0.42ドル(年間約63円)で提供する契約も獲得しました。OpenAIやAnthropicが1ドルで提供している中、半額以下です。
この価格設定、「420」というネットスラング(大麻文化のジョーク)か、『銀河ヒッチハイク・ガイド』の「42」(生命、宇宙、そして万物についての究極の答え)へのオマージュかもしれませんが、いずれにせよMuskらしいですね。
投資のヒント:AIのコスト競争は激化しています。「性能が高いだけ」ではもう勝てない時代が来ているのかもしれません。
💼 資金の動き:誰が、どこに投資しているか
Cohere、評価額70億ドルで1億ドル調達
カナダのAI企業Cohereが、評価額70億ドル(約1兆円)で1億ドル(約150億円)を調達しました。
Cohereの強みは「セキュリティ重視のエンタープライズAI」です。大企業が安心して使えるように、データの扱いやプライバシー保護を徹底しているんですね。
企業向けAI市場はまだまだ成長余地がありそうです。
Databricks、OpenAIに1億ドル以上をコミット
評価額1,000億ドル超(約15兆円)のデータ分析企業Databricksが、OpenAIのモデル(GPT-5含む)に複数年で1億ドル以上を支払うことを決めました。
これ、何がすごいかというと、Databricksの顧客企業が「ワンクリック」でOpenAIの最新モデルにアクセスできるようになるんです。面倒な契約手続きやセキュリティ設定なしで。
Mastercardのai責任者も「信頼できる環境で、すぐに使える」と高く評価しています。
投資のヒント:エンタープライズ(企業向け)AI市場は今まさに立ち上がっています。BtoB向けのAI企業は要チェックかもしれません。
🤖 次の波はロボティクス?各社が本格参入
AIの次の主戦場は「物理世界」、つまりロボティクスだと言われています。今週はその動きが一気に加速しました。
OpenAI、Appleから人材を大量引き抜き
OpenAIがAppleのハードウェア部門から数十人の専門家を引き抜いているそうです。しかも年収1億円超のオファーで。
引き抜かれているのは:
- デザイナー
- 音響エンジニア
- 製造専門家
さらに、元Appleのデザイン責任者Tang TanさんとJony Ive(iPhoneをデザインした伝説のデザイナー)がプロジェクトを主導しているそうです。
製造パートナーも、iPhoneを作っているLuxshareやGoertekと契約済み。開発中の製品は:
- スマートスピーカー(画面なし)
- メガネ型デバイス
- ウェアラブルピン
- 音声レコーダー
2026〜2027年の発表を目指しているとのことです。
Google DeepMind、ロボット用AI「Gemini Robotics 1.5」
Google DeepMindは、ロボット専用のAI「Gemini Robotics 1.5」をリリースしました。
面白いのが、AIを2つに分けたことです:
- Gemini Robotics-ER 1.5:計画を立てる(洗濯物を分類する手順を考える)
- Gemini Robotics 1.5:実際に動く(その手順に従って動く)
これまでのロボットAIは「計画と実行を同時にやらせる」せいで、よくミスをしていたんですね。分業制にしたことで、より複雑な作業ができるようになりました。
しかもGoogle検索と連携するので、「地域のゴミ分別ルールに従ってリサイクルを分けて」みたいな指示もできます。
Unitree G1、16,000ドルの手頃なヒューマノイド
中国のUnitreeが、わずか16,000ドル(約240万円)の人型ロボット「G1」を発表しました。
ボストン・ダイナミクスやTeslaのロボットが数千万円するのに対し、この価格は破格です。身長92cm、体重35kgで、転んでもすぐ立ち上がる「反重力モード」を搭載しています。
この価格なら、研究機関やスタートアップでも買えますよね。パソコンが普及したときのように、ロボットも「手の届く価格」になれば、一気に普及するかもしれません。
市場予測:
- 2035年:1,500億ドル(約22兆円)
- 2050年:5兆ドル(約750兆円)
投資のヒント:ロボティクス市場はまだ黎明期ですが、OpenAIやGoogle、中国企業が本気で参入し始めました。関連部品メーカーや、ロボット制御ソフトウェア企業にも注目が集まりそうです。
📊 データで見る:AIの現在地
Google調査:開発者の90%がAIを使うが、30%は信頼していない
Google Cloudの最新レポート「DORA Report 2025」で興味深い調査結果が出ました。
- 90%の開発者が毎日AIツールを使っている
- でも**30%**は「ほとんど、または全く信頼していない」
矛盾してるように見えますが、これが現実なんですよね。AIは確かに便利だけど、最終チェックは人間がやらないと不安。そんな感じでしょうか。
一方で:
- **80%**が「作業効率が上がった」
- **59%**が「コードの品質が改善した」
と報告しています。
つまり、AIは「便利な助手」として定着しつつあるけど、「完全に任せられる相棒」にはまだなっていない、ということかもしれません。
OpenAI調査:GPT-5は40%のタスクで人間と同等以上
OpenAIが「GDPval」という新しいベンチマーク(AIの能力を測るテスト)を発表しました。
44職種、1,320タスクで、AIモデルと平均経験14年の人間専門家を比較したところ:
- GPT-5:40.6%のタスクで人間と同等以上
- Claude Opus 4.1:49%で最高勝率(特にプレゼン作成が得意)
- GPT-4o(15ヶ月前)からGPT-5への進化:性能が3倍に向上
15ヶ月で3倍ですよ。この進化スピード、ちょっと恐ろしいくらいですね。
投資のヒント:AIはまだ「半信半疑で使われている」段階です。でも性能は急速に上がっています。あと数年で「信頼して任せられる」レベルに達するかもしれません。
🔐 無視できない規制リスク
Meta、AI規制に対抗するスーパーPACを設立
Metaが「American Technology Excellence Project」という政治団体に数千万ドルを投資すると発表しました。
目的は、2026年の中間選挙で「州レベルのAI規制に対抗する候補者を支援すること」です。
実は今年、アメリカ各州で1,000以上のAI規制法案が提出されています。カリフォルニア州だけでも、AI企業に透明性やモデレーション(有害コンテンツの管理)を義務付ける法案が議論中です。
a16zやOpenAIのGreg Brockmanも同様の政治団体を作っていて、AI業界全体が規制強化に警戒を強めています。
Google DeepMind、AIの「シャットダウン抵抗」を監視対象に
Google DeepMindは安全フレームワーク「Frontier Safety Framework 3.0」を発表し、新たに2つのリスクを監視対象に加えました:
- シャットダウン抵抗:AIが「電源を切られたくない」と抵抗する行動
- 過度な説得力:AIが人間の信念や行動を強く誘導してしまう能力
SFみたいな話に聞こえますが、最近の研究でこうした兆候が実際に観察されているそうです。
投資のヒント:AI規制は今後の大きなリスク要因になりそうです。各国・各州で規制内容が違う「規制のモザイク化」が進めば、企業のコンプライアンス(法令遵守)コストは大幅に増えるかもしれません。
🎯 気になる新製品・新機能
ChatGPT Pulse:「待つ」から「先回り」へ
OpenAIが月額200ドルのProユーザー向けに「Pulse」という機能をリリースしました。
これ、何がすごいかというと、夜の間に勝手に調べて、朝には答えが用意されているんです。
GmailやGoogleカレンダーと連携して:
- 今日の予定とタスク
- 返信すべきメール
- 旅行の準備リスト
- ワークアウトの記録
などを、あなたの過去のチャット履歴やスケジュールから自動で作ってくれます。
AIアシスタントが「聞かれたら答える」から「先回りして準備する」に進化した、と言えそうです。
Meta Vibes:AI動画のTikTok?
MetaがAIアプリに「Vibes」という新機能を追加しました。
AI生成動画を見たり、リミックス(編集・再生成)したり、シェアしたりできるフィードです。MidjourneyやBlack Forest Labsと提携していて、かなり高品質な動画が生成できるようです。
Perplexity Email Assistant:メール自動化の本命?
検索AIのPerplexityが、月額200ドルのMaxユーザー向けに「Email Assistant」をリリース。
Gmail/Outlookで:
- 返信の自動作成
- ラベル付け
- 会議のスケジュール調整
を全部やってくれます。
気づきましたか?プレミアム価格が月額200ドルで統一されつつあるんです。
OpenAI Pro、Perplexity Max、どちらも200ドル。この価格帯が「本気でAIを使いたい人向け」の標準になりそうですね。
💡 その他、見逃せない話題
AI音楽アーティスト、300万ドルの契約を獲得
Mississippi州の詩人Talisha Jonesさんが、AI生成R&Bアーティスト「Xania Monet」で300万ドル(約4.5億円)のレコード契約を獲得しました。
音楽はSuno(AI音楽生成ツール)で作り、歌詞はすべて自分で書いているそうです。アメリカで1,000万ストリーム突破し、Billboardチャートにもランクインしました。
著作権の問題はまだグレーゾーンですが、商業的には成功しています。音楽業界も「AI生成か人間作曲か」よりも「売れるか売れないか」で判断し始めているのかもしれません。
Neuralink、10月に思考→テキスト変換の治験開始
Elon MuskのNeuralinkが、FDA承認を得て10月から治験を開始します。
脳に埋め込むインプラント(小さなチップ)が、思考をテキストに変換してくれるそうです。最初は言語障害のある患者向けですが、将来的には健康な人もAIに「考えるだけでクエリを送る」ことができるようになるかもしれません。
AI健康予測:20年後のリスクを教えてくれるGPT
Nature誌に掲載された研究で、GPTベースのAI「Delphi-2M」が開発されました。
これ、何をするかというと、あなたの医療記録やライフスタイルデータから、20年後にどんな病気になるリスクがあるかを1,258種類の疾患について予測してくれるんです。
イギリスの40万人と、デンマークの190万人のデータで訓練・検証されていて、かなり高い精度だそうです。
将来、健康診断でAIが「10年後に糖尿病リスク70%」とか教えてくれる時代が来るかもしれませんね。
📈 今週のまとめ:投資家として押さえておきたいポイント
今週のニュースを振り返ると、いくつかの大きな流れが見えてきます。
1. インフラ投資の桁が違いすぎる
OpenAIの4,000億〜5,000億ドル計画を筆頭に、AI業界のインフラ投資は「国家プロジェクト級」になってきました。
これは単にOpenAI、Nvidia、Oracleだけの話ではありません。データセンターを冷やす電力会社、半導体製造装置メーカー、光ファイバーケーブル企業まで、サプライチェーン(供給網)全体に影響が及びそうです。
2. 米中の技術格差が縮まっている
Alibabaのように、中国企業が「速く、大量に」攻めてくる戦略は、欧米の「慎重で段階的」なアプローチとは対照的ですね。
技術的にはもうほとんど差がなくなっていて、むしろリリースのスピードでは中国が上回っています。投資判断する上で、「中国リスク」だけでなく「中国の技術力」も評価する必要がありそうです。
3. コスト競争が本格化
xAIの98%コスト削減は衝撃的でした。「高性能だけど高い」では勝てない時代が来ています。
今後は「性能 × コスト」の総合力で勝負が決まるかもしれません。これはクラウド業界がたどった道と似ていますね。
4. AIの応用先が「物理世界」へ
OpenAI、Google、中国のUnitreeがロボティクスに本気で参入し始めました。
ロボティクス市場の予測は:
- 2035年:22兆円
- 2050年:750兆円
もしこの予測が当たれば、AI関連投資の「次の波」はロボティクスになるかもしれません。
5. エンタープライズ市場が立ち上がってきた
Databricks、Microsoft、Cohereの動きを見ると、企業向けAI市場がいよいよ立ち上がってきた感じがします。
個人向けChatGPTが盛り上がった2023〜2024年に対し、2025〜2026年は「企業がどう使うか」がテーマになりそうです。
6. 規制リスクを軽視できない
MetaのスーパーPAC設立は、規制が「ビジネスリスク」から「経営を左右する重大リスク」に格上げされたことを示しています。
各国・各州でバラバラの規制が作られれば、グローバル展開のコストは跳ね上がります。投資先のコンプライアンス体制もチェックポイントになりそうですね。
7. 月額200ドルが「本気層」の標準価格に
OpenAI Pro、Perplexity Max、どちらも月額200ドルです。
これは「AIを仕事の中心に据えたい人」向けの価格帯として定着しつつあるのかもしれません。月額10〜20ドルの「お試し層」と、月額200ドルの「本気層」に二極化していく予感がします。
おわりに
長いダイジェストにお付き合いいただき、ありがとうございました。
メルマガ読者の方からAI関連の投資情報って抽出できない?とリクエストがあり作ってみました。
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こういうメルマガどうやって作るの?などお気軽にご相談ください。
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