QAILaboratory|AI活用ニュース2026.4.2週号
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📮 QAILaboratory|ツール選びより先に、入力のNGラインを決める
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おはようございます。QAILaboratoryの鳴海です。
AIの社内展開を進めるとき、最初に決めるべきは「どのツールを使うか」ではありません。 「何をAIに渡さないか」のラインを、先に1枚の表にすることです。
■ なぜ今これか
今週、Anthropicが自社の最新モデル「Claude Mythos Preview」を「強力すぎるため一般公開しない」と発表しました。代わりに12社の限定パートナーだけに提供し、厳密なアクセス管理のもとで運用する方針です。
ここで注目すべきは、AIの性能の話ではありません。 AIを作っている側が「渡す範囲を先に決め、それ以外は渡さない」という判断を最優先にしたことです。
これは、社内でAIを展開する側にも、そのまま当てはまります。
■ よくある誤解
「顧客名をマスキングすれば、AIに入力しても安全」という判断をよく聞きます。
しかし実際は、顧客名を消しても、未公開仕様、見積条件、工程条件、不具合情報が残っていれば、それだけで情報流出リスクになります。とくに製造業では、仕様や条件の組み合わせから取引先が推定できるケースがあります。
ガイドラインで「機密情報は入力しないこと」と書いても、何が機密かの具体リストがなければ、現場は自己判断で入力します。結果、承認フローもなく、誰が何を入力したかのログも残らない状態が続きます。
■ QAIとしての見立て
- 今回やるべき判断
「AIに何を入力してよいか/入力してはいけないか」を、4分類で1枚の表にしてください。 抽象的なガイドラインではなく、品目や情報種別を名指しで書いた具体リストです。
この表が1枚あるだけで、現場の自己判断が減り、レビュー負荷が下がり、監査で「どう管理していますか」と聞かれたときに説明できる根拠になります。
- まだやらなくてよいこと
全社統一のAIガイドライン策定や、ツールの本格導入比較は、今は不要です。 まずは「入力NGライン」を1枚決めるだけで十分です。ルールを広げるのは、この表が現場で回ってからで間に合います。
- 残る成果物
「AI入力NG/OKライン表」(4分類×情報種別の一覧表)
■ OK/NG ライン(4分類の例)
上の分類はあくまで出発点です。 自社の業種・取引先・契約条件に合わせて、品目名や情報種別を具体的に書き換えてください。
大事なのは、最終確認者を1名決めておくことです。 「迷ったらこの人に聞く」が決まっているだけで、現場の判断負荷は大きく下がります。
■ 今週やること
自社で「AIに入力してはいけない情報」を、上の4分類で10項目だけ書き出してください。 完璧でなくて構いません。10項目あれば、現場に渡せる最小の判断基準になります。
▶ AI入力NG/OKラインテンプレートを用意しています。 4分類の空欄シートと記入例をセットにしたものです。 必要な方は、このメールに「テンプレ希望」と返信してください
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QAILaboratory 代表 鳴海
「AIで事故らない」運用設計の専門家。
トヨタ系列のエンジン開発担当を経て、パナソニックAP・
トランスコスモス・日産自動車の開発部門など、
現場の複雑さを知る企業のAI導入に携わってきた経験から、
「ツールより先にルールを決める」設計を大切にしています。
現在は製造業・サービス業・IT企業など、
1社ずつ深く入るスタイルでAI導入・運用設計の支援を続けています。
30日で土台・90日で定着。検収条件は事前に明文化します。
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