QAILaboratory|AIの使い方を、外に一言で言える形にしておく
こんにちは、QAILaboratoryの鳴海です。
今週は新しい発表そのものより、AIを使っていることを外の人にどう言うか、のほうを見ています。
NBC News と Decision Desk が米国の成人7,105人に聞いた調査で、70%がAIについて「わくわくするより不安だ」と答えました。同じ調査で、AIを「とても頻繁に」または「ときどき」使う人は52%と、2025年6月から6ポイント増えています。一方、AIが出した情報を「ほとんど常に」信頼すると答えたのは18%でした。
使う人が増えているのだから、いちいち説明しなくても伝わる。そう思いたくなるところですが、この二つの数字は別々に動いています。使う量が増えた分だけ、信頼が増えているわけではありません。
■ 使っているかどうかより、どこまで使ったかを言えるかが先に問われる
目を留めておくとよいのは、「AIを使っているか」ではなく「どこまで使ったか」を言葉にできるかどうかです。相手が気にしているのは、使ったという事実そのものより、どこから先が本人の判断なのかが見えないことのほうだと思っています。
説明の手間は、たしかに増えます。何に使ったか、どこまで手伝わせたか、どうやって確かめたか、最後に責任を持つのは誰か。この四つを書き添えるだけでも、成果物ごとに一手間かかります。ただ、この一手間は信用を作るための出費で、払っておくほうが得だと考えています。
この号でいえば、今週届いた17通のニュース便のうち、本文まで確認できたのは6通でした。残りは題名しか確認できていないので、この号の材料には使っていません。この一文を書くか書かないかが、そのまま「どこまで言うか」の話になります。
■ 調査の数字の上下は、今週も追わなくて大丈夫です
追わなくていいのは、調査に並ぶ数字の上下のほうです。同じ調査には、近隣へのデータセンター設置に69%が反対、ワシントンのAI規制が不十分と81%が答えた、という数字も並んでいます。ただ、こうした割合は、誰に、どの国で、いつ聞いたかで動きます。自分の顧客がどう感じているかの代わりにはなりません。
同じように、業界の内側で誰が加速すべきと言い、誰が止めるべきと言ったか、という論争も、今週は眺めるだけで足ります。方向の定まらない話は、定まってから見ても遅くありません。
自分の現場で効くのは、世の中の平均値ではなく、目の前の一人に何をどう言うか、のほうです。
■ 決めるなら、使い方を一文にして、渡す相手を一人決める
決めるなら、いま出している成果物のどれか一つについて、AIをどこまで使ったかを一文にすることです。「素材の整理と下書きにAIを使い、事実の確認と最終判断は私が行っています」。この程度の細かさで足ります。
書いたら、それを誰に渡すかを一人だけ決めます。顧客でも、取引先でも、社内の誰かでも構いません。全員に配る必要はありません。
確かめ方は簡単です。その一文を読んだ相手から「どこまでAIなんですか」と聞き返されなければ、書いた内容で足りています。聞き返されたら、先ほどの四つ、つまり何に使ったか、どこまで手伝わせたか、どうやって確かめたか、誰が責任を持つか、のうち足りなかった一つが分かります。
外に出す言葉は、身を守るための注記というより、自分の仕事の輪郭を自分で引く作業に近いのかもしれません。
よろしければ、こちらから。AIの安全性や情報の扱いなど、外から聞かれやすいことへの答えをまとめた質問集を無料で置いています。
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代表 鳴海貴慶
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