QAILaboratory|「もう外に出していいか」で、手が止まる夜に
こんにちは、QAILaboratoryの鳴海です。
今週、Spotifyが社内向けに作っていたAIコーディングエージェント管理ツール「Xirp」を一般公開しました。1,300人を超える社内エンジニアが実際に使い、3万6,000件を超えるエージェントのセッションを処理した実績を経ての公開です。同社は以前にも、社内ツール「Backstage」を2020年にオープンソース化し、業界標準に育てた実績があります。
こういう記事を読むと、真似したくなるのは公開のタイミングや機能の作り込みのほうだと思います。でも私が見ているのは、そこではありません。
■ 今週、目を留めておくとよさそうな一つ
目を留めておくとよさそうなのは、外に出す前に、自分たちの現場だけで十分に使い倒していたという順番のほうです。1,300人という規模も、3万6,000件という件数も、最初から狙って作った数字ではないと思います。日々の業務の中で何度も使われ、直されながら育っていった結果として、たまたまそこにあった数字です。機能を先に作り込んで華々しく発表するのではなく、地味な内輪の反復を先に済ませてから外に出す。この順番自体が、そのまま真似できるところだと考えています。同社は以前にも、内輪の困りごとを解決した仕組みをそのまま育てて業界標準に押し上げた前例を持っています。一度きりの成功ではなく、同じ順番を繰り返せる形にしていることのほうが、規模より真似しやすい部分だと見ています。
■ ほとんどは、追わなくて大丈夫
一方で、他社の買収額や資金調達額の大きさ、同じ週に発表された各社の投資規模といった数字は、追わなくて大丈夫だと思っています。金額の大きさは、その会社の体力の話であって、自分の現場でどう動くかとは別の話です。規模の比較を追いかけているうちに、肝心の「自分の現場でまず何を試すか」が後回しになってしまうことのほうを、私は気にしています。
■ もし決めるなら、ここだけ
もし一つだけ決めるなら、いま外に出そう、人に見せようとしている取り組みを一つ思い浮かべて、それをまず自分の現場だけで小さく使い倒してみることだと思います。一度で完成させようとせず、粗いままで使ってみて、直しては使い、また直す。この反復を何度か回してからでないと、外に出したときに何が起きるかは、実はまだ見えていないことのほうが多いと考えています。
「もう外に出していいか」で手が止まる夜があるなら、それはまだ早いという合図ではなく、もう少しだけ内輪で使い倒してからでいい、という合図なのかもしれません。
よろしければ、こちらから。導入前によく聞かれる質問をまとめています。
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