QAILaboratory|棚に上げたままの仕事に、古い見積もりが残っていないでしょうか
こんにちは、QAILaboratoryの鳴海です。
今週、AsanaがOpenAIのCodexを使って、社内に残っていた古いテスト基盤を取り除いた事例を公表しました。当初は5年・600万ドルかかると見積もっていた作業で、実際には約2週間・約1万2000ドルで終わったとしています。
こうした数字を見ると、うちも同じくらい短くなるのではないか、と考えたくなります。ただ、倍率のほうは、たぶん移りません。移るとすれば、別のところだと考えています。
■ 今週、目を留めておくとよさそうな一つ
目を留めておくとよさそうなのは、縮んだのが作業時間より先に「着手できるかどうか」だった、という点です。5年・600万ドルという見積もりは、人手を前提にすれば、おそらく妥当でした。そして妥当だったからこそ、誰も手をつけないまま何年も残っていたはずです。今回起きたのは、速くなったというより、棚に上がっていた案件が棚から降りてきた、という変化だと見ています。対象が「判断はほとんど要らないのに、量だけが多い」種類の仕事だったことが、そのまま結果に効いています。同じ性質の仕事は、たいていの会社に、何年ぶんか眠っていると感じています。
■ ほとんどは、追わなくて大丈夫
一方で、5年が2週間に、600万ドルが1万2000ドルに、という倍率そのものは、追わなくて大丈夫だと思っています。倍率は道具の性能ではなく、対象になった仕事の性質で決まります。判断が要る仕事、相手の事情を読む仕事、責任の所在が動く仕事に、同じ倍率は乗りません。他社の事例を見るたびに倍率をメモしても、自分の現場で使える形にはならないと感じています。事例から持ち帰るなら、数字ではなく「何を対象に選んだか」のほうだと思います。そこだけは、業種が違っても読み替えが効きます。
■ もし決めるなら、ここだけ
もし一つだけ決めるなら、自分の仕事の中から「判断はほとんど要らないのに、量が多くて、何年も誰も手をつけていない」ものを、一つだけ名指しすることだと思います。古い資料の形式そろえ、過去案件の索引づくり、担当が変わるたびに口伝えになっている手順の書き起こし。名前を付けて一行書き出せば、それで足ります。任せ方をどう設計するかを考えるより先に、何を任せるかを選ぶところが、実は最初の作業だと考えています。ここを飛ばすと、道具の話ばかりが増えて、棚のほうは動きません。名指ししてみると、意外と小さかった、と分かることもあります。その場合は、そのまま片づけてしまえばよいだけです。
新しい道具が来たときに見直す価値があるのは、やり方より、見積もりのほうなのかもしれません。
よろしければ、こちらから。研修・ツール・AI顧問・実装伴走の四つを、始めやすさや何が手元に残るかで並べた比較ページです。
https://www.narumitakayoshi.com/compare-start
QAILaboratory
代表 鳴海貴慶
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