QAILaboratory|「まずこの画面から入れてください」と説明している日に
こんにちは、QAILaboratoryの鳴海です。
今週は、何を作ったかより、どこで受け取ることにしたか、のほうを見ています。
Instacartが、買い物を代行するAIアシスタントClementineを出しました。同社の説明では、利用者が送ったテキストメッセージ、または撮影した買い物リストの写真から、そのままカートを組み立てます。
海外の事例というと、同じ機能を自社でも作れるかどうかを考えたくなります。ただ、この例で変わったのは機能ではなく、受け取る場所のほうです。利用者は、いつもの書き方のまま送っています。
■ 真似るのは仕組みの大きさではなく、受け取る場所のほう
目を留めておくとよいのは、入口の位置です。相手がすでに使っている形式、たとえば手書きのメモの写真や、いつも来る短い文面を、そのまま受け口にする。こちらの都合で作った入力欄に相手を連れてくる必要がなくなります。
この置き方は、失敗したときの戻しやすさでも違いが出ます。新しい入力欄を作ると、使われなかったときに作ったもの自体が残ります。もとの形式をそのまま受けるなら、うまくいかなければ受け取ったあとの手順だけを元に戻せば済みます。
相手に覚え直しを頼まない、という一点だけでも、続く確率はかなり変わると思っています。
■ 業種ごとの作り込みと導入効果の数字は、今週は見送ってよさそうです
見送ってよいのは、業種向けに作り込まれた構成と、そこに添えられる数字のほうです。今週はOpenAIが金融サービス向けに、その業界でふだん見られているデータ源を最初から接続した版を出したと発表しました。同社はまた、自社の研究現場では、プログラムを書く代行役が、人が一日で進める量を1とすると3.1倍の作業をこなしていると発表しています。
どちらも、扱うデータの量も、その仕事だけを担当する人がいるかどうかも、自分の現場とは違います。数字をそのまま持ち帰っても、前提のほうが揃いません。
参考にするなら、達成した数字ではなく、どこを相手に合わせたか、のほうだと考えています。
■ 決めるなら、毎週同じ形式で届いているものを一つ選ぶ
決めるなら、毎週ほぼ同じ形で届いているものを一つ選ぶことです。メールに毎回ついてくる記入用紙、写真で送られてくる現場の記録、決まった件名で来る依頼。新しく何かを立ち上げるより、すでに待っているものを一つ選んで最後まで通すほうが早く進みます。
選んだら、送る側の手順には手を触れません。変えるのは、受け取ったあとの読み取りと整理だけです。確かめ方は一つで、送ってくる相手に新しい操作を一つも頼まずに済んだかどうか。一つでも頼んでいたら、入口がまだこちら側に寄っています。
このニュースレターの素材も、いまも毎週メールで届くものだけで作っています。集める場所を新しく作らなかったぶん、続けられているのだと思います。
よろしければ、こちらから。受け取ったものをAIに渡すとき、入れてよい情報と入れない情報の線引きを、そのまま使えるテンプレートにして無料で配布しています。
https://www.narumitakayoshi.com/pl/2148741973
QAILaboratory
代表 鳴海貴慶
HP https://qailaboratory.narumitakayoshi.com
ブログ https://www.narumitakayoshi.com/blog/
LinkedIn https://www.linkedin.com/in/takayoshi-narumi-9869a527a/
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